
2023.5.31
◆ 五月もあっという間に月末に・・・。 連休明けから、またご依頼のタッセル製作に追われてしまいました。 新しいデザインを作る、ということはとても楽しいことではありますが、実は見えない苦労も多々あるんです・・・。
◆ 今回は「作品紹介」もそうですが、どのように「ご依頼品のタッセルデザイン」をしているのか、そのデザインプロセスについてお話したいと思います。 今回ご依頼いただいた事例をもとに私の頭の中をご覧!?いれようと思います。
❶用途確認: 今回のようにバッグを飾る、インテリア(カーテン、クッション等)用、箱や小物を飾る等など 、何を対象として飾るのかを明確にします。用途は様々ですね ⇒この時点でタッセルの大きさと種類(木型orソフト)のふたつ方向に分岐します。
❷概算価格の確認: お客様単独でご使用されるのか、またはお客様の商品への付加価値としてタッセルを加えるのかを確認。 付加価値要素の場合、利益が上乗せされる可能性が大なので、エンドユーザーの方が納得する価格帯を探っていきます。⇒ご依頼主に大まかに使用素材/部材等方向性をご説明し、価格帯のゴールを探っていきます。
❸生地確認: インテリアでは当たり前ですが、今回のご依頼もインテリアファブリックを使ったバッグ。 配色を決める上で実物は必見!! 合わせてその生地の素材感、柄等生地が持つ特色を把握します。 生地から受けるインスピレーションのイメージをデザインに加える場合もあります。⇒ラフイメージができる。1点の場合もあれば、数点になることも。②の要素も検討しつつ、デザインを絞っていきます
❹デザイン上の排除点の検討: 予算を考えた素材選び、製作工程数等々を検討⇒予算があまり無い場合、糸素材でも高価なシルク糸なんて使えませんし、できるだけ製作工程も簡略化したデザインになりますし、ご予算があれば、またそれなりにと・・<笑>。 ここでざっくりとしたデザインの候補決定 。
❺試作品作り: お客様に本番デザインを了承してもらうための試作品タッセルを作ります。
❻本番製作: 了承をいただいた時点で初めて、納品用作品を作り始めます。
❼その他作業: 糸をはじめとする部材の手配、時に木型製作依頼、はたまたプロジェクトに必要とあれば、海外特注製作メーカーとの交渉もやります。
◆ 結構時間がかかる作業の連続、売上に対して人件費の割合が大きい「労働集約型ビジネス」の要素が強い仕事だと思います。 しかし常に決まりきったものだけを作っているわけでもありませんし、さまざまな製作スキルとともに、デザインや色選び等ファッション産業に似た「知識集約的要素」も無いとできない仕事なのだとも思っています。
◆ いつも上記のようなプロセスを考えながら・・・、そして今回ご依頼のタッセル作品ができました。トリニティオリジナルデザインです!! 5種類の色の組み合わせで作りました。 生地の特徴であるお花からインスピレーションをいただき、植物の実をアレンジしたデザインです。 今回はひとつのご紹介ということで、よろしくお願いします。
タッセル教室東京・自由が丘、ソフトファニシング教室のトリニティ
2023.4.28
◆ 今年も1/3が過ぎようとしていますが、例年作っている手帳飾りをやっと作ることができました<苦笑>。 飾りは「栞紐」の先につけて、重石のような感じで使っていますが・・・。
◆今年選んだ手帳カバーの色は、エルメスの『エトープ』のような色。 グレージュに似ていますが、どちらかと言えばこちらの色は、ブラウン寄りの色味を持っています。 色は上から、ゴールドベージュ、金色、エトープと並べてあります。 色はさまざまに組み合わせてみましたが、自分としてシックリ来た色として採用です!
飾りのデザインは、タッセルの研究科カリキュラムの中の13番と同じです。 それをもっと小さくしたバージョン。 皆さんも作ってみてくださいね!!
タッセル教室東京・自由が丘、ソフトファニシング教室のトリニティ
2023.4.15
◆ 先週だったかな?、帰宅時間のものすごい風。 折り畳み傘をさしていたのですが、突風にあおられ骨が少し曲がっていたところがついにバキッ・・・・。 修理するかどうか迷いましたが、長いこと使っているし、あまり気に入ってたわけでもなかったので、と自分に言い訳をしつつ<苦笑>アトリエの近くの傘屋さんで新品を購入しました(3,300円)。
◆ 傘そのものがあまり主張していないデザイン(紺と薄グレー)なので、何か飾りたくなり、新しい傘タッセルのデザインを考えてみました。 しょせん自分のものだし、と思いながら・・・。 作っていくうちに最初のイメージからどんどんかけ離れて、こんなデザイン<写真>になりました~。「オッ、なかなかかわいいじゃん!」 もし、お気に召した方がいらっしゃったら、教室で作っていただけます!! テクニックはほとんど基礎編。 見たらきっと生徒さんだったら作れるかもしれませんね~<笑>。
タッセル教室東京・自由が丘、ソフトファニシング教室トリニティ
2023.3.15
◆ 昨日は東京の桜の開花宣言もされ、気温が20°近く上がってはいますが、やはりまだ3月の風は冷たく感じられますね。 さて、ご依頼品制作の作品を除き、今年2作目の”新作タッセル”を作りました。 ヘッドの部分にミンクファーを使い、スカート部分にはシルク糸を使いました。名付けて『ミンクファーヘッドタッセル』!! 風が冷たいとは言い訳のように聞こえますが・・・<苦笑>。 このタッセルは、一年中使えるデザインだと考えます。
◆ これまでファーは単体で使ってきましたが、以前使ったファーが少し残っていたので、それを有効活用したデザイン。 物事無いものねだりで考えがちですが、いやいや無ければ無いなりの新しい発想が生まれるものなんですね~・・・<苦笑>。 紐部分は、ベルト使いでスタイリッシュに仕上げました。
★限定7名様。 長さ: ヘッドからスカートまで10cm。バッグチャーム等にどうぞ!
★お気に召した方は是非ご連絡ください。→ ★問合せはこちらから。
★3月28日(火)から制作することが可能ですので、よろしくお願いします。
★材料費: 4,400円(税込)
注) 色は濃ブルーに見えますが、本当の色は「スモーキーな水色」です。
2023.2.14
◆ カーテンを束ねる「タッセルタイバック」。 タッセル部はあくまで飾りで、カーテンを束ねる機能としては、ロープ部分になります。 紐部分でカーテンをまとめ、かつフックにかけられるように、両サイドに2本ずつのロープと、そして中心に3~4巻き<好みによって変える>のセンター部分が完成するという仕組みです<写真右>。 この右のタッセルは、お教えしているカリキュラムの中の「タッセルタイバック」です。 作り方は、ロープ1本で作っていきます。 最後に房の部分をセットします。
◆先日、制作のご依頼を受けた大型タッセル。 いざ作業に取り掛かろうと、いただいた仕様書を見たら、「ム、ムッ、これはタイバックのロープワークとは全然違うものじゃないですか~」。 両サイドの耳は普通ダブル(2本)なのに、これはシングル!? <写真左> 目が点とはこのこと!! これってどんな構造!?なんだろう・・・<汗汗>。
◆ 頭を悩ませながら、試行錯誤すること小一時間・・・。 あっそうか~、謎が解けました~!! どっかでやったような記憶もあるけど・・、なんかに似ているな~と思ったら、記憶の奥底からの蘇ってきました。 手作りものには、いろいろ共通点があることをまたまた再発見、です。 これで無事納品が完了できそうです・・ホッ<苦笑>。
タッセル教室東京・自由が丘、ソフトファニシング教室のトリニティ
2023.2.7
◆ 昨年の年央頃にご依頼があり、その後仕様を決めるまで沢山のやり取りを通じ、完成したタッセルです。 半貴石<タイガーアイ>を使い、それを主役にするといったものです。 私も半貴石を使うデザインは初めて。 イメージデザイン4点を提出させていただき、その中から決まった2点です。 1月中旬にはお渡しさせていただきましたが、時間の長さだけ考えるといわゆる難産、と言ったところだったでしょうか・・・<笑>。
◆ 半貴石はパワーストーンとも呼ばれ、それぞれに意味があるらしくブレスレット等を身に着けている方も見受けられますが、私にはさっぱりわかりません!? <苦笑>。 が、しかしの石が持つ色合いは大事に、しかもシルク糸を使う等々と、言った細かい条件をクリアしたものとなりました。
それにしてもご依頼で作るタッセルもソフトファニシングも、すべて一点もの。 この状況は、毎回頭をひねること必至。 生みの苦しみと完成した時の充実感・・それが楽しいんですね~。
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2023.1.25
◆ 昨年末にお預かりしていた「着物帯の生地」。 クッションに仕立ててほしいとのご依頼で、昨日お引渡し。 40角サイズにし、フェザーの中材も発注し、一緒に納品させていただきました。 後から考えたら「丸帯」<幅68cm>の生地だったことに気が付きました!! 道理で、金糸銀糸がふんだんに使われ裏面は糸の嵐。 通常の帯から40cm角のクッションは作れないのです。 はぎ合わせれば可能ですが。
◆ なぜかと言えば、多くの帯<袋帯等>は30cm程度の幅しかないので、「テーブルランナー」にされる方が多いと思います。 また、着物生地でインテリア用「ファブリックパネル」を作られた方も→★いらっしゃいました。 こう考えると、意外に和服用生地は、ソフトファニシングで使えるんですよね~。
年初に仕立て作業をしていたのですが、この豪華な帯生地を見ていたら、お正月気分も相まって「あ~、日本人だなぁ~」とつくづく思いました<笑>。
タッセル教室自由が丘・東京、ソフトファニシング教室のトリニティ
2023.1.1
恒例の干支タッセル<卯>とともに、ご挨拶申し上げます。
◆今年の干支タッセルは、形より「カラースキーム」先行型です。 なぜかメルヘンの世界が浮かび、綿菓子や、いわゆるベビーカラーにしたいと考えました。 それらの色は頭から離れず、逆に色が活きる形にデザインしてみました。 冬の中で元気に飛び回るウサギさん。 年賀状とは異なる背景バージョンです。
◆ 兎は跳ねることから、景気が上向きに跳ねる、回復すると言われているようですが、ここ3年間も続くコロナや物価の高騰などの数値は上がってほしくないものです・・・。
今年も何卒よろしくお願い申し上げます。
2022.12.27
◆ ルースカバー(loose cover: 英) とは、取り外しが可能な椅子用カバーのことです。 スリップカバー(slipcover: 米)とも呼びます。 12月のほとんどの時間を、このご依頼品制作に費やしたかも・・<苦笑>。 時間が足りず助っ人までお願いした次第。 もちろん先日無事に納品済みですが、写真をいただいたので、ご紹介させていただきます。
◆ 椅子は、ひとつとして同じものがないので、デザインを考えると同時に型紙を起します。 最初の段階が大きな山場で、トータル時間の1/3くらいを費やします。 2段階目は裁断と下準備に1/3, 3段階目は、残り3脚分の本縫いで1/3・・・。 時間配分は、ざっとこんな感じでしょうか。 2段階目までは気が休まりませんが、 最後の段階はもう頭の中で出来上がっている感じで、気分は楽勝・・・<笑>。
◆ 今年も残すところ後4日。 皆さまにとってはどんな一年でしたか? この一年振り返ると、さまざまな出来事が脳裏をかすめます。 私にとっては、時代の変化を痛切に感じた2022年でもありました・・・。
さて年内のコラムは、今回にて終了させていただきます。 また、来年もコラムのご愛読をよろしくお願いします。
タッセル教室東京・自由が丘、ソフトファニシング教室のトリニティ
2022.12.24
◆ お客様がお持ちの鏡に「カバー制作のご依頼」を受け、年内最後の本日お渡しすることができました。 お話しを受けた最初の時点でサイズをお聞きし、作った結果がなんと数値の読み間違いで、小さすぎて悲惨なことに・・・<泣>。
◆ 現物をお持ちいただき、再度作り替えた時にブレードを追加したことで、デザインがバージョンアップです!! 作り手の私も納得の仕上がり、そしてお客様にも喜んでいただけて・・・めでたし、めでたし。
それにしても現物の鏡は、思わず「鏡よ鏡、鏡さん、世界で一番美しいのは誰?」とつぶやきたくなるような素敵なイタリア製の鏡でした~。 Mrs. Tさま、ありがとうございました!
タッセル教室東京・自由が丘、ソフトファニシング教室のトリニティ