• vol.18 ビーズタッセル付きティーコージー

    2008.4.13

    ■ロンドンにある通称V&A (正式: Victoria and Albert Museumヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)は、私の好きな博物館のひとつ。 昨年12月のコラムにも書かせていただいたナショナルギャラリーも素晴らしいが、V&Aは特に芸術とデザインに関するコレクション内容とその数の多さは素晴らしく、3,000 年余りに及ぶ多彩な世界文明の遺物がコレクションされています。
    ■今回の新たな発見と驚き!! ウッーこの感動を誰かに話さずにいられよか・・・。「ねぇ、ねぇ、見て見て。これってすごいと思いません? だって1860年のこの時代に既にガラスのビーズタッセルがついたティーコージーがあったなんて!! 今のビーズブームも真っ青デス」。

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    >> V&A MuseumのWebサイト, ホームページ
    ■TEA COSY About 1860
    Techniques & Materials: Glass beads on a linen canvas ground lined with silk; with twisted silk braid trimming and silk and glass tassels
    Place of Manufacture: Probably embroidered in England
    Height: 27 x Width: 46 x Depth: 7.5
    【Object Type】
    This tea cosy decorated with glass beads is a typical example of mid-19th-century amateur embroidery. The design of roses and lilies on a bright blue ground is characteristic of popular floral design in the 1850s and early 1860s. The cosy would have been kept for special occasions and used with the ‘best’ silver or porcelain tea pot when entertaining important visitors for afternoon tea.
    【Materials Making】
    Beads were popular for all forms of Victorian embroidered decoration on dress and for a wide range of domestic items in middle-class homes, such as upholstery, cushions, bell-pulls and fire screens. The glass industries of Germany and Italy produced and exported vast numbers of glass beads for this use in a wide variety of colours. The beads used in this example were known as ‘pound’ beads as they were purchased by weight. This tea cosy is decorated with two popular types: those in bright opaque colours and others in translucent clear shades.
    【Gallery Label】
    This tea cosy would have been made from a kit or perhaps from a pattern in a ladies’ magazine. It would not have been used in fashionable homes, as it was advised that a tea cosy ‘should never be seen in a lady’s drawing room’. Instead, tea cosies became popular in more modest homes.
    Given by Mrs M. O’Meara
    Museum no. Circ.177-1963

    ※掲載許可申請中。幻の写真に終わるか・・・

  • vol. 14 インテリアの視点で絵画を見れば・・・

    2007.12.17

    ■ 絵画は、描かれたその時代性や地域性を反映して描かれていますから、ちょっと視点を変えて眺めてみると、いろいろおもしろい発見があるものだと常々思っています。
    例えば、左の絵、皆さんおなじみのゴッホによって描かれた絵「椅子」(1888年)。フランスのアルルで短い期間をゴーギャンと住んだ時に描かれたもので、ハンス・J・ウエグナーのYチェア(1949年)のデザインに通じるものを感じると同時に、こんな椅子をおいたらきっとお部屋もプロバンス風!?

     

    ■ また、左の絵はロンドン、ナショナルギャラリー所蔵の「The ambassador(大使たち)」。1533年にハンス・ホルバインによって描かれたものですが、(実物の大きさは、横3mほどもあろうと思われるとても大きな絵でした。) その頃日本では、畿内各地で一向一揆が起き、興福寺が焼かれた時代。<ちょっと日本史を調べてみました(笑) > なんと、この絵の後ろには、ダマスク模様の緑色の生地(カーテン)が存在している。そして、キャビネットの上にはタピストリーが!! インテリアに関する歴史の長さをつくづく感じさせられます。
    もっと詳しく見たい方は、こちらでどうぞ。
    >> ナショナルギャラリーのWebサイト

     

    ■ 海外旅行で美術館に足を運ばれた際には、絵そのものを楽しむと同時に、視点を変えて見る絵画は、もっと興味深いものになるかもしれませんね。ひょっとすると感動もの!?

     

     

     

     

    2007/12/17記載

  • vol. 10 たかがカーテン、されどカーテン・・・の”裏地”

    2007.8.19

    当店はいわゆる「カーテン屋」ではないのですが、しかし、様々なお客様の声を聞く機会があります。カーテンは「ソリューション(問題解決策)」と「デザイン」の融合だと思っていますが、さて学校の講義的な話はさておき、今回は「裏地」についてです。
    ■裏地の必要性その1
    旅行から帰ってお部屋の空気を入れ替えようとしたら、この猛暑でカーテンが熱ッ!! いやー、どんなに酷暑に耐えていたことか。カーテンの当然の役割としてこの暑さや寒さよけにとても貢献している。それにこの夏の日差しはとっても曲者です。これまでの私の経験から言うと、コットンレースのカーテンは劣化しボロボロ(洗濯のせいもありますけど) になったし、日光にさらされて柄物の色は飛んでしまうし・・、それほど酷使されているんです。その対策は、ズバリ「裏地」をつけることです。
    ■裏地の必要性その2
    皆さん口々にいう話ですが、「雑誌や本で見たものとのイメージが違い、風合いがない、なぜ?」、「なんか家の新しいカーテンは薄っぺらい感じがする」これってどういう意味でしょう? カーテンが下がっているとき、開けてカーテンをまとめたとき、一枚の布で仕立てたカーテンと裏地をつけたカーテンが持つその風合いは全く異なります。英国では、さらに表地と裏地の間にインターライニングをいれます。日本の風土にそれが機能的にいいかどうかは別問題ですが、しかし、本当に一枚布と裏地をつけた場合との違いは、ふわっとしたボリューム感が出て、風合いが違うことは一目瞭然。お値段の高い生地を日光から守る上でも、そして風合いを出す観点からも裏地の存在は欠かせません。「カーテン屋さんが提案してくれなかった・・・」んーン、これからは皆さんが知り、賢く主張すべき点だとつくづく考えさせられます。
    カーテンはお金がかかる、確かにそう思います。だからこそ慎重にならざる負えないものなんですが、どうしても建物の部分の器が優先され、予算の余った範囲で・・・と後回しになっているのが実情のようです。ましてや裏地まで気が回らない、かもしれません。しかし、「本体布の保護」、「遮音、防寒・暑」、「風合い」と”裏地の効用”はとても大きいと感じています。
    新調を考えている方は、是非「裏」まで気遣い検討してみてくださいね。
    2007/08/19記載

  • Vol.7 パスマントリーとは

    2007.5.17

    ◆ タッセルとは

    タッセルとは、インテリアを中心とするファフリツク類の最後の仕上げに、その外観をより際立たせ、特徴づける房飾りのことをいいます。 ところで、日本ではカーテンを束ねる帯状の布を「タッセル」と呼んでいるケースが多々ありますが、ソフトファニシングの世界では「タイバック」と言います。 もちろん房飾りがさがったカーテンを束ねるものもあります。  これを「タッセルタイバック」と言います。 タイバックは、カーテンを作った時についてくるもの。 タッセルタイバックは、飾り類いわゆる「パスマントリー」のジャンルに入ります。

     

    ◆パスマントリーとは
    パスマントリー: passementerieは、フランス語表現、英語ではトリミング: Trimmingsと呼ばれ、同義語です。その意味は、カーテンや椅子張りの仕上げに使われる飾り紐や組み紐などの紐類、そして、縁飾りとして使用されるフリンジや金銀モールなどのブレード、そしてタッセルも含めて、それら全般の飾り類の総称です。 
    使用用途の主な分野はインテリアが中心ですが、流行によってはファッションに使われている場合もあります。

       
     

     

     

    ◆ 上の写真を元に少し具体的な形と種類、名前を見てみましょう。 上から時計と反対回りに、★ブレード、★フリンジド・ロープ (縁がないものはただのロープです)、ブロックフリンジ、 ★バブルフリンジ (この写真のものは、バブルフリンジの間隔にファンエッジングというフリンジとの組み合わせになっています。これが上下につくとダブルファンエッジングと呼びます、★ブリオンフリンジ、★タッセルフリンジ(タッセルがついているので・・)、そして右半分の上から、★タッセル、これは基本形のとても応用範囲が広いタッセルですね。 ボルスタータツセル、★キータッセルです。 

    見ていただいたとおり「タッセル」とは房がついたもの意味し、単独のものもありますし、小さな房自体が飾りとして使用される場合もあり、大きな意味で「パスマントリー」の仲間です。「パスマントリー」という言葉で表現する場合は、全体を意味することになりますね。 
    ◆ 写真のものはいずれも市販品ですが、「タッセル」は、もちろん手作りすることも可能です。 タッセル作りの講座も行なっていますので、ご興味のある方、是非お問合せください。 お待ちしております。 また、「パスマントリーのさまざまな使い方」については、こちらから

    2007年5月17日 記載
     

  • vol.3 ソフトファニシングと英語

    2007.1.20

    ◆ 先日、高校時代のバスケットの仲間が、彼女の友達3~4人と連れだって、アトリエを訪れてくれた。(感謝!) 同じように作品やらを説明している最中に私は、本来”プレースマット”と呼ぶべきところをを、”ランチョンマット”と言ったら、私の友達は間髪入れず、「プレースマットでしょ!!」と言って訂正されてしまった。そこで2人は顔を見合わせ、大爆笑!!  なんと、彼女は私が以前に説明した「イギリス英語とアメリカ英語では、いろんなものの呼び名が違うんだよねぇ~」と言いながら、説明したことをちゃんと覚えていたのだ。(脱帽!)

     

     

    ◆ クラスでの出来事 Mrs. Duncnaの家でランチパーティ、クラスメートと。
    そう言えば、インテリアデザイン学校のクラスメート15人の中にアメリカ人が3人いたけど、(なぜアメリカで学ばないで、イギリスで学んでいるかという理由は割愛) 先生の説明は当然イギリス英語なので、自分達が使っている米語の呼び名と違うとすぐさま手が挙がり、「何、何、それ?」って結構反応していたのを思い出す・・・。

     

     

    ◆ ソフトファニシング用語、「英語」vs 「米語」
    今後も友達に指摘されたことのような場面はありそうなので、反省も込めて思いつくままに、英語と米語の比較で、「ソフトファニシング」の用語を整理してみました。
    ま、これに限らず私の英語も結構乱れてる・・・、反省してます。(苦笑)

    【英語】 【米語】
    ■フリル(Frill) ■ラッフル(Ruffle)
    (※時々、ヒラヒラとも呼んでしまいます)
    ■プレースマット(Place mat) ■ランチョンマット(Luncheon mat)
    ■クッション (Cushions) ■ピロー (Pillows)
    (※日本では、クッションと枕(ピロー)と使い分けているような気がしますが、クッションも所詮は枕になるから、まっ、いいか!?)
    ■パイピング (Piping) ■コーディング(Coding)
    ■ブラインド (Blinds) ■シェード(Shades)
    ■カーテン(Curtains) ■ドレープ (Drapes)
    ■カーテントラック(Curtain track) ■トラバースロッド(Travers rod)
    (※カーテンレールのこと)
    ■テイル(Tails) ■カスケード/ジャボット(Cascades / Jabots)
    (※カーテンの左右にぶら下がる一種の飾りです。)
    ■ペルメット(Pelmet) ■アップホルスタード コーニス ボード(Upholstered conice board)
    (※カーテン上部の飾りの一種です。)
    ■ベッドカバー(Bedcovers) ■ベッドスプレツド(Bedspreads / Quilts)
    ■ベッドバランス(Bed valances) ■ダストスカート (Dust skirts / ruffles)
    (※ベッドの下のほうを隠すやつ、と言えばわかりますか?)

    きっと、あまり聞きなれない言葉も出てきたと思いますが、いかがでしたか?  当教室では、上記のようなものの作り方が学べます。皆さんのお越しをお待ちしてますね!

     

     

    2007/01/20記載

  • vol.1 ソフトファニシングって何?

    2006.11.4

    ★ソフトファニシングとは、vol.634にて詳しく説明していますので、そちらからお読みください→★。

    ※「ソフトファニシング」を一言で表現するならば、「ファブリックを用い、インテリアをデコレーション(装飾)することの全般を意味します。」

     

     

     

    「ソフトファニシング、それって何? 」 当初、友人のほとんどにそう質問された・・・。「そうかぁ、この言葉は一般的じゃないんだよねぇ~」と思いつつも、今から自分が始めようとした新しいビジネスについて内容を説明するのが一苦労とは・・・。

     

    ◆ 気を取り直し、逆にこのソフトファニシングという言葉をどんどん使っていこうと考えた。 考えてみれば、友人のほとんどはIT業界にいるわけで、この世界は全く違うこと、それにまだあまり知られてない世界なんだから、言葉と一緒にこの楽しい世界を理解してもらうほうがいいと考えたからだ。

    日本最大のインテリアイベントを主催する、「日本ファブリックス協会」のWebにも用語は掲載されています。

    『インテリアファブリックス用語集』

     

     

     

     

    2006/11/04 記載

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