2020.4.21
◆ 皆さんいかがお過ごしですか? 人生でこのような時間を過ごすことは、私だけではなく皆さんも同じですが、 長期休暇のような長い時間なのにステイホーム、仕事からも離れ・・・・。 逆に考えれば、これもせっかくの機会だとこれまで積んであった本を片っ端から読んでます<笑>。
◆ 保有書籍の『装飾デザイン事典(A handbook of ornament)』Frants S. Meyerの図118にThe Tasselというページがあります。 この写真は見たことがある方もいらっしゃるかと思います。 Wikipedia「タッセル」の説明ページに使われてもいますね。 しかし、タッセル個々の説明がないので「ま、古いタッセルなのね」くらいにしか思えません。 写真上段の左から2番目(2)、そして同じく上段右から2番目のタッセル(3)は、画家ハンス・ホルバイン(1497~1543)のデザインなんです。
ホルバインはドイツに生まれ、北方ルネッサンス美術を代表する画家。 スイス、イタリア、リヨンと渡り歩き、最後はイギリスのヘンリー8世の宮廷画家(1536年以降~)でもありました。 16世紀の諸国遍歴は、ルネッサンスの様々な情報を見聞きしたに違いありません。
◆ それにしても画家がタッセルをデザインしたとは、おもしろいですね~。 つい最近購入したイギリスの本にも同じものが掲載されていました! ハンス・ホルバインは親子で同じ名前ですが、Hans Holbein the Youngerと書かれてますので、息子の方ですね。 説明にA”Turk’s head knot” decorates the top of the tasselとあります。 ムムッ、どこかで聞いた名前、そうカリキュラムにある「ターキーヘッド・タッセル」です<笑>。
◆ 前述の書籍の「飾り房」の冒頭にあった説明が、興味深い。“織物芸術が、自由装飾群へ貢献した主なものは、飾り房(タッセル)、房縁(フリンジ)、そしてレースなどがある”。 確かに、布を織った最後のきれ端処理の糸を束ねれば、フリンジができます。 私の中にある断片的な情報をつなぎ合わせるいい機会かもしれないと思うようになりました・・・。