• vol. 310 テマヒマ展

    2012.8.30


    n         先日訪れた「テマヒマ展」(会期終了)。 <東北の食と住>のサブタイトルがついているように、昔からの暮らしの中の知恵として伝わってきた食材や、仕事や生活の中で必要不可欠な道具類の展示。 何の感激もなかったことに、帰り道、なぜ行ったのか、ふと考えてしまった・・・・。
                


     


    n         もともとこれらの道具類は、販売する目的のものではなく、生活者の必需品として存在していたものである。 しかし、最近、鉄瓶などはカラフルになって海外でも販売されている。 そうそう、私は鉄瓶と、そして、道具入れに使いたい竹製カゴが欲しかったのだ。 ショッピング?  しかし、販売品の中にお目当てのものは無く・・・。


     


    n         実は、自宅で今私が使っているお針箱は、カゴ製である。 祖母がそうしていた。 長年使い込まれたカゴは、あめ色になり、とてもいい感じの雰囲気を出しているのに憧れた。 そして鉄瓶も火鉢の上で、ちんちんと快い音を出しながら、湯気を上げていた子供の頃の冬の記憶。 そんな光景を懐かしく思う私の中の記憶が、展示会へと足を運ばせたのだと思う。

            


     


    n         後日、鉄瓶をお持ちという生徒さんと会話していたら、「毎日使わないとサビが出て、逆に不便なのよ・・・。 お手入れも大変。」 道具はやはり、その生活環境に根ざしてこそ、役割を発揮してくれるもの・・・・か。 決してファッションや憧れだけで、ものを所有するべきものではない・・。 そう思うと「鉄瓶」は、はるか遠くのものに思えてしまった。 


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