• vol. 13 井形慶子女史、「私の好きな家(英国編)」講演会

    2007.11.16

    先日タイトルの講演会に行ってきた。英国好きの方にとって、井形さんの名前はちとに有名な方かもしれない。
    この講演案内を見つけた時、<渡英70回以上を数える英国通の方の、違った角度からの話を聞いてみるはきっとおもしろいかも! > と思ったのがきっかけだった。確かに日本との建築物の構造の違いや、建物の改造時の規制はあるものの(年代ものを大切にするためにムヤミに取り外せないものが結構あるんです。) 、なぜ日本の洋風の家は素敵にみえないんだろう・・・、と漠然とした疑問を持っていたところだった。
    講演前日に帰国したばかりの女史の話は、ユニクロのLondonの新店舗の取材の話から始まり、現地の家庭訪問風景、家屋販売のチラシ比較による方法の違い、アンテークショップの位置づけ、はたまた、ご自宅(英国風)の建築時の裏話、そしてチャリティショップの話、(そうそう、英国全土に広がるこのシステムはとっても合理的。店舗の場所も慈善によって支えられてのもの、高い家賃をとられる日本で、慈善事業は難しいのよねぇ・・) などと納得したり、感心したり。あっという間に1時間半は過ぎ・・。でも前述の私の疑問は解けなかった。
    しかし、最後に出席者全員に女史の著書『古くて豊かなイギリスの家、便利で貧しい日本の家』(新潮文庫)がプレゼントされ、(ちゃっかり、サインまでいただいちゃいました。) 帰りの電車の中で読みはじめたら、「あ、これこれ、本の中に書いてあるじゃん。まぁ、1時間半の講演時間では伝えきれる内容は限られているから、しかたがないわよね~。それに聴きに行かなかったらこの本にも会えなかったかもしれないし、結果オーライ!」なんて納得しつつ、一晩で読破。 
    私がいままで漠然と思っていた疑問、それを解決してくれたその一言。それは『家はイギリス人にとっては「ホーム」だが、アメリカ人や日本人には「ハウス」?』。この一行を含む(p44~p49)ページは、モヤッとしていた私の疑問を一気に吹き払ってくれた。 確かに、本屋に注文していた英国版雑誌の『HOUSE&GARDEN』が間違って米国版が届いた時、あっ、これは違うと思ったのも納得です。本の内容はこれに留まらず、私が日頃思っていることもバンバン書かれていて、痛快、納得の一冊でした。さすが、ジャーナリズムの世界に身をおく人の視点は違います。本質を深く追求するする姿勢はさすが!!
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