2011.4.22
n 昨年4月、布を中心にした、まさに「ソフトファニシングで、インテリアをコーディネート」する為の「制作プロジェクト」のご依頼を受けました。 シルクフラワーの教室を主宰されているご本人のブログでも沢山紹介されていますので、ご覧になった方もいらっしゃるのではないか(?) と思いますが、デザイン監修の異なる立場で作品をご紹介させていただきたいと思います。 また、皆さまのインテリアのデコレーションの際の参考になればと・・・・。
n ご依頼主は、以前生徒さんとしてクラスに通ってきていただいていたので、ご本人の好みもある程度把握していたことや、既に購入されたお好みの生地を持ち込まれたこともあり、はたまたご自身のインテリアに対する高い感度もあり、デザインコンセプトとコーディネートはとてもしやすい状況でした。 淡いグレー、グレー系のピンク、そしてベージュ系等が大変お好きで、色からくるイメージは、どことなくShabbyではあるけど、CHICでELEGANTなスタイルにまとめられています。ご本人の一眼レフの卓越した技術による素敵な写真とインテリアをご覧ください。
1. ランプシェードと縁飾り こちらから。
Ø 打ち合わせの時、「こんなのはできますか?」 と、ソフトファニシングの本までご持参されました。 ランプシェードは、すでにストライプ柄の生地が貼ってありましたが、少々汚れも目立ち確かに張り替え時期到来です。 裏地と表地を二重に貼る「ソフトタイプ」のシェードです。 縁飾りは本にあるような、上下にラップルを希望。 ご持参の本のイメージ通りのものを制作しました。
Unknow the book's title……
実は、もう少し大人っぽい「縁飾りデザイン」もいいのでは・・・と、途中で試行錯誤したもの<写真下>です。 しかし、本までご持参されたことを考え、既にイメージが出来上がっているので、ガッカリされるのでは・・・と考え直し、ご依頼のデザインでお納めしました。「縁飾り」はシェードの形にあわせて、同じ生地素材を使ったり、既製品のリボンを使ったりして、まさに唯一オリジナルなものに仕上げていくことができます。
2. コーヒーテーブルのカバー こちらから。
Ø 丸テーブルのトップがガラス製、しかも脚がアイアンでできているので (テラス等に置くにはピッタリですが・・・・)、お部屋の雰囲気に合わないということで、お悩み解決大作戦。 床までの長さにして脚を隠し、テーブルトップとスカートの切り替えにパイピングを。 そしてサイドは、フリルをたっぷり。 とってもゴージャス!! このデザインも確か、ご持参の本のページに付箋が貼ってあったような気がします。 布を一枚かけることによって、雰囲気を簡単に変えることができるカバーは、とっても便利。
3. パイピングクッション こちらから。
Ø 「このソファに合わせたいのですが、何個作ったらいいでしょうか?」 という質問に、即座に5個と答えました。 大きなサイズのソファですし、クッションは同じ生地の使用なので、奇数個にすることで、クッションの存在感が出ると同時に、統一感がとれすっきり見えます。サイズは少し大きめの45cm角。 オールフェザーのヌードクッションもご注文いただきました。(ボルスタークッション等、さまざまな形のクッションに対応した、ヌードクッションも販売しております!)
4. ダマスク柄模様のキャビネット用ランナー こちらから
Ø 手作りのいいところは、やはり家具の大きさに合わせ長さや幅を自由に変更し、バランスまで考慮できるところが最大の長所。既製品で、ピッタリサイズを探すのはなかなか難しいのでは? と思います。パイピングクッションと同じ生地で。
5. キャビネット用ランナー 打ち合わせ時の写真とともに・・・ こちらから。
Ø テーブルランナーの両端は、重しの役目を果たしアクセントになるような、タッセルやフリンジがアレンジすると、完成度が高くなります。 今回はその役目を果たしてくれる既製品のブリオンフリンジをアレンジしてみました。生地の間に入っているベージュのラインとブリオンフリンジのベージュの色とがつながり、リズムが生まれています。
6. ラウンドテーブル用クロス こちらから。
Ø よく見かける四角い大きなものをかけてもいいでしょうが、やはり丸いテーブルの場合、これではすべての脚を隠すに無理があります。丸テーブル用のクロスは、やはり丸く作るのが本流。 テーブルから下がるドレープがとても綺麗に仕上がり、そこの雰囲気に一段上の「格」が生まれます。
7. オーガンジーのテーブルトッパー こちらから。
Ø 上述の丸テーブルのクロスの上にアクセントとして飾る 「テーブルトッパー」です。 シンプルなデザインのカバーだったので、レース用素材(カーテンのリサイクル)に、サテンリボンとコットンレースをアレンジし、一味違ったデザインに。 お部屋のイメージからすると、少々かわいいイメージかな、と心配しましたが、コットンレースの質感とサイズが主張しすぎず、なんとか・・・・。 しかしこれは時間がかかりましたよ・・・フーッ。
8. コンソールカバー こちらから。
Ø インテリア業界でも一時期(2008年頃?)、流行となった「鏡製」の家具。 それをお持ちでしたが時間がたち、飽きてしまったということで、カバーをかけることに。 ソファの後ろにセットするコンソールテーブルへと早変わりです。テーブルトップとの境目にリボンテープをアレンジしています。
9. ピクチャー・リボン こちらから。
Ø 絵画の額を飾るピクチャー・リボン。モアレ生地の余り部分で作成。 絵がシックな場合、こんな演出でぐっと雰囲気作りをすることが可能になります。 旅行などで気に入った小さな絵ハガキ等を額に入れ、こんな風に演出すれば、きっと壁ももっと素敵になるでしょう。 リボンが4つの場合のクロスと、リボンが3つのTrefoilという三つ葉の飾りの種類があります。
■ ”ソフトファニシング”は、インテリアの新規のプランニングに大きな影響を与えるとても重要なパートです。 しかし、今回のように、既存の家具を布でカバーしアレンジしたり、作品を追加することにより、容易に雰囲気を変えることもできるということが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
■ 私が追い求める"ソフトファニシング"の世界とは、やはりコーディネートまで出来て初めてインテリアが完成する、その真髄に少しでも踏み込めたこのプロジェクトは、とっても楽しく、そして大変有意義なものでした。 本当に感謝です!
これからも、こんなプロジェクトだったら、どんどん挑戦していきたいと思っております!!
■ さて、今回のコラムを書くにあたっては、思わず『読まずして死ねるか!』 <内藤陳著>のタイトルが浮かんでいました。 気になっていたテーマでもあり、まさに「これを書かずして今年の4月は終わらない・・・」そんな気分です。 (※昨年はコラム記載をサボっておりました・・・・キャハッ。)
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