
2007.3.17
当教室にくるお客様や生徒さんは、ほとんどカルトナージュを習っているといって過言じゃない。 オープンしたての頃から、布を探しに見える方に聞いてみる。「何にお使いですか?」「カルトナージュ」次から次とカルトナージュの合唱は続く・・・・。日本は今、カルトナージュブームなんだなぁ、と私は勝手に決め付けている今日この頃である。
以前の仕事をしていた時は、趣味といってもおやじ趣味のゴルフに明け暮れていた。でも私の場合、「百獣の王ライオン」。 要は110のスコアをなかなか切れないっていうことなんだけど・・・。ゴルフの話はさておき、世の中の女性の趣味の世界とは全く無縁の世界にいた私は、世の中を知らなかったのである。
しかし180度転換した今は、その潮流が新鮮にヒシヒシと伝わってくる。生徒さんのSさんは、今ティー・コージィを作っている(最中)。この同じ布を使い、カルトナージュでトレイを作ると予定だとか。「それってとっても素敵ねぇ~ッ!」と思わず感嘆の声を上げてしまった私。確かにお茶を出す時の道具を同じ生地素材で揃えるなんて、なんておしゃれなんでしょ。それも世界でたったひとつの自分だけのデザインで!! (思いもつかなかった・・・。それってグッドアイデアよね~。)
「ひょっとすると、ソフトファニシングって、カルトナージュと姉妹かもね。」と私か言ったら、Sさん曰く、「そうなんですよね~。」
皆さん、カルトナージュの次のブームは、ヤッパ、ソフトファニシングでしょう。
2007.2.26
まだ2月というのに、今年は2回も風邪にやられてしまった!! ウーッなんという不覚。それも1月に引いた風邪もようやく治っていい調子、なんて思っていた矢先。不覚とは『油断して失敗すること』と辞書にあるが、まさに油断!? もうひとつ意味に、『覚悟のできていないこと』あるが、どうもこちらの方が心情的には近い。だって風邪引く予定なんてさらさらなかったんだもん。
さて、病院にいき診察室へ。「インフルエンザかどうか検査します」「あれ? 前回はそんなことしなかったのに・・・」と思いつつ。 検査を終え、診察室に戻るとカルテには、”インフルエンザA”と書かれていた。お医者さんいわく、「今日はあなたで6人目です。予防接種は受けなかったんですか?」(その一言は、予防接種を受けておけば、こんなことにはならなくて済んだかもしれなかったんですよ、と聞こえたのは気のせい?)
■事前準備の大切さ
「事前」とは、先を想定し今何をすべきかを考え、取り組むこと。インフルエンザも然りでした。
ソフトファニシングも事前準備の内容で、作品の出来不出来を決めると言って過言ではないでしょう。どんな作品にしたいか、デザインや布の色、そして素材感との調和を考え、それが終わると寸法、裁断にと、準備にかける時間は完成までの時間の8割くらいを使うと常々思う。 (でもここがとても楽しい時間であることも確かです。) ミシンを使う時間は、それに比べてほんの僅か。
こう考えると、事前準備は物事すべてに渡り通じるものがある気がする。将来どうしているかを考え、今何をすべきかの人生までも・・・。
2006.12.6
◆ 10月下旬に開催された「With Curtains – Fabrics Makerが提案する2007トレンド」
に行ってきた。ズバリ、今年に引き続き形も柄も「シンプルモダン」以上、って感じ。 これはあくまで「ファブリックス」の話であり、インテリア全般については、また別であるが・・・。
そういえば英国にいた時、某カーテンメーカー兼パブリッシャーの研修に参加した時の講師も同じことを言っていた。カーテンで言うこのシンプルモダンの流行はブラインドに代表され、カーテンサミットなるものが開催された時、各メーカーは生地が売れなくて困っていることが話題になったと聞いた。確かに、装飾的な飾りが排除されれば、生地の使用量も自ずと減っていくのもうなずける。
◆ 日本のトレンドは誰が作っているのか? 日本大手7社の各メーカーの説明の強調ポイントとして、必ず素材や機能面(防炎、Washable, 遮音etc.) に力点がある。うーん、やはりこの辺はどの業界にも当てはまるのかもしれないが、デザインより機能面の説明が重視されるところは、実に日本的だなぁ~と感じた。
説明が進むにつれ、ふと疑問に思ったことは、布の柄のデザインという観点において「日本は果たしてインテリア・デザイナーが流行を作っているのか、それともメーカーが作っているのか、どっちなんだろう?」。明らかに欧米の流れに追随していることは理解できたが、 日本人デザイナーの名前は一言も出てこなかった。皆、企業の中でのデザイナーとして頑張ってるんだろうか? 英国では、インテリア・デザイナーやデコレーターが家具やファブリックスを発表している人が沢山いる。Nina Campbell, Jane Churchill, Kelly Hoppen・・・etc. ファッション業界には、世界を代表する日本人デザイナーが何人かいるけど、インテリア・デザイナー、テキスタイル・デザイナーの名前やブランド名はあまり聞いたことがないということに気がつく。
◆ 日本のモチーフとデザイン
英国では様々なファブリックを山のように見た。そこで一番驚いたことは、2006年の傾向でみると、日本のモチーフが沢山使われているということだった。 鶴、牡丹の花、はたまた「見返り美人図」(菱川師宣筆(ひしかわもろのぶひつ))というモチーフが新作の中にあるのには驚いた。
日本人デザイナーがやっているのか確認はしなかったが、市場に出てくるということは消費者に受け入れられると確信してのことだろう。1800年後期、世界万博に出展した日本の浮世絵が、モネらフランスの画壇に影響を与えたジャポニズムが今なお息づき、現代においても「日本の美」を意識しているように感じられる。あの有名ブランド、ルイ・ヴィトンのモノグラムも、日本の紋章をイメージしてデザインされたものであることをご存知の向きも少なくないだろう。
近い将来、日本人の手による日本のモチーフを用いたデザインが世界に発信する日がくることを期待しているのは、果たして私だけなのだろうか・・・・?
2006/12/06 記載