• vol.28 花とインテリア

    2008.12.21

    インテリアにはかかせない「お花」。花があると空間の差し色とでもいおうか、部屋の中が明るくなり、ましてや生花であれば生命力を感じるとともに、お部屋の中が生き生きとしてくるのがわかる。
    生徒さんに、「先生、お花が少ないですねぇ~」。そういえば確かに少ない。私の花に対する概念は、”生花”しかなかったので、一週間程度しか持たないお花をずっと飾り続けていくのは、ちとしんどい。彼女はシルクフラワーの教室の先生で、今の造花は本物と見まごうばかりの素敵な素材があるらしい。申しわけなさそうに店頭に飾ってあった造花を持ち帰って、アレンジしてくれたのが下の写真。
    【師匠が見事に変身させてくれた! なんて素敵なアレンジなんでしょう】

    これを見た私は大いに触発されました。早速進化した花素材とやらを購入し、活けてみた。(下記写真) 「オーッ、以外にいけるじゃん!!」堰を切ったように、3つも作ってしまったうちのひとつ。もちろん自己流。きっとプロから言わせるともっと素敵にアレンジできるんでしょうけど・・・・。満足、満足。
    【自己流アレンジ】

    知らない間に、お花の世界も進化し続けているんですね。 新しい世界を教えてくれた師匠との出会いに感謝! お蔭様ですっかり店内が明るくなりました。
    Thank you, Sugimoto-san.

  • vol. 27 テキスタイルデザインの原点を見る

    2008.12.17

    五島美術館で開催されていた「古渡り更紗」展。(10月25日~11月30日2008年) 久々に感動した展示会だった。電車の中吊り広告で案内を知り、友人と出かけていったが、当日は生憎の雨と寒さだったが、行った甲斐があったというものだ。
    展示物は、図録として販売されていたので、購入してきたのだが、その感動の1ページをおすそわけ。 本の横にある生地(右側)は、イタリアの現代の生地であるが、そのモチーフはそっくりではないか!? 確かに美術館の中で友人と二人、「ヒョエー(どうも、二人の口癖らしい・・・) この柄もこの柄も、今の生地のパターンで使われてるよねぇ~」と話していたが、本当に驚くべきことである。安土桃山時代から江戸時代にかけ、南蛮貿易によって渡ってきたこの更紗のモチーフは、日本のみならずヨーロッパにも渡り、そして今尚、生き生きと再現されていることに対する驚きとともに、テキスタイルデザインのひとつの原点を見た思いがする。
    【写真左:「五島美術館図録(P42)」と店頭の生地】

    ※テキスタイルとは、布にプリントされた図案やパターンの意味

  • vol. 26 プラダのタッセル

    2008.12.17

    ■ フランスの某タッセルメーカーのタッセル。どういうわけか、黒の一本が売れ残ってしまった。 「ま、黒ってやっぱり人気がないんだろうなぁ」と思い、店頭から引き下げてしまった。生徒さんとそんな何気ない会話をしていたら、いやいやいました、いました。目の前に。それを探していたというその方が購入してくれました。
    ■さて、そのタッセルの変身したものが、下記の写真。購入したプラダのバッグについていたタッセル。あまりのかわいさにお嬢さんと取り合いだったとかで・・。だったら作っちゃえと、購入した黒のタッセルで変身させてしまったもの。タッセルもこんな変身の仕方があったんですねぇ。
    【プラダのオリジナルタッセル】
    ブランドチャームまでくっついている・・・

    【オリジナルタッセル完成品】
    もちろん、ご本人が作成されたものです。

    ■グリコのおまけ・・・ならぬオマケ裏話。
    今回の話題を提供してくれた愛子さん。その方が着ていた上着。なんとここにもタッセルフリンジがついていたのでした!!

    2008/12/17記載

  • vol. 25 タッセル作り・ビーズ使い

    2008.11.14

    ■ 糸を中心としたタッセル作りも、たまには趣向を変えて作りたくなります。写真はビーズを使用したものです。ビーズブームの一時の加熱ぶりも今は治まり、最近は沈静化しているとよく聞きますが、私の気分はきっとこれから盛り上がる・・・!? のかもしれません。

    ◆その他のビーズ作品 vol. 75   ,  vol. 82

  • vol.24 かわいい来訪者

    2008.10.14

    ■最近、決まった曜日にいつも入り口付近に小さな女の子達がたむろしている。ま、このビルの上にはカルチャーセンターがあり様々な教室もあるし、はたまた目の前には英語のキッズ教室もあるので、あまり気にしてなかった。ある日、ドアにかけてあるベルが鳴ったと思った途端にその女の子達が駆け出していくのが見えた。それが何回も・・・である。最初はいたずら? と思ったが、きっと入りたいのかもしれないなと思い、招き入れたらそれから毎週のように顔を出してくれる。
    ■みんな同じヘヤスタイルなので、「バレエを習っているの? 」と聞いたらやはりそうだ。「じゃ、なんかポーズをとって先生に見せてくれる?」と頼んだのが、下記の写真。「ここにはどうして入ってみたかったのか? 」と聞いたら、「うん、きれいだから。」綺麗なものに反応するのは、大人ばかりではないのですねぇ~。しかし先日はぐサッとくる質問までされて、「先生、今日は何を作ったの? 」「・・・・(タラ~ッ。汗)」 多忙につき、作りたいのが山のように貯まってます、ハイ。
    ■将来はバレリーナか、当スクールの生徒さん候補か!?

  • vol. 23 こころに沁みる言葉

    2008.9.17

    ■今借りている一室がある「魚菜ビル」は、70年代にTVのお料理番組でもよくお見かけした、田村魚菜さんのビルである。 先日、その敷地内の隅にひっそり建っている石碑を見つけた。「あれ、こんなところに石碑がある。 今まで気が付かなかったけど何だろう?」

    ■「美しい花には、隠れた根の力がある」石碑にかかれたこの言葉は、当然お料理に関するものと解釈するのが自然だろう。 ”おいしいお料理を作るには基本を学び、さまざまな失敗や、修練を積み重ねて出来上がった根本があるからできること・・・” の意と、勝手に解釈しましたが、しかし実にいい言葉です。 
    ■「守・破・離 (しゅはり)」
    これを考えていた時にふと脳裏に浮かんだ言葉が「守破離」。さまざまな解釈がある中、独断解釈でいえば「守」とは、まずは師の教えを忠実に守り身につけ、そして「破」とは、今まで学んだ師の教えから一歩進め、他の学問、他流の教え、他の技を取り入れることを心がけ、更にその技や学問を発展させよ、という意味である。最後の「離」とは、守も破も超えた新しい世界を切り開き、独自のものを生みだす、という意味である。それぞれの言葉の表現は違うが、学ぶことについての本質は同じではないかと思う。土台がしっかりしていればこそ、その上で新たな変化を遂げていけるんだと・・・。こんなことを考える時間をくれた句碑に感謝!!

  • vol.22 シェード vs ブラインド

    2008.8.19

    ほんとに毎日暑い日が続いています。外を歩く時も、なんとなく「日陰: shade」を選び、「日よけ: Blinds」を歩いてしまいますねぇ~!? さて何の話かって。今回はカーテンの一種である、タイトルについてです。
    いろいろな呼び名も、誰かが最初に命名したのであって、オギャーッと産まれたその時に、何を見たかで一体それが何であるかを知るように、私は、英語でその識別を最初に覚えてしまいました。日本はアメリカ英語が主流なので、その呼称は自ずと米語になっています。当初、私は日本での呼称である「シェード」を「ブラインド」といい続け、業界の方を相手に、なんと話の通じない人なんだろう・・・と思っていました。(まぁ、今となっては恥ずかしながらも、懐かしい話デス。ハイ。) 日本ではその機能性から、更に3つに分類され(①シェード、②スクリーン、③ブラインド)、私の混乱は収まるところを知りませんでした。 今でも時々混乱します。
    私のアンチョコ表

    【日本】 【英国】
    シェード(Shade) ブラインド(Blinds)
    ※形状、スタイルは同じですが、そのスタイルの呼び名も、夫々下記のように違います。
    ■シャープ ■ローマンブラインド
    ■ピーコック ■ファンテイル
    ■オーストリアン ■フェストーン
    ■バルーン ■オーストリアン
    ■ルース ■ロンドン
    ■ムーススタイル ■ファンシェープ
    ※その他、日本にはフォールドスタイル、プレーン等も・・。

    きっと混乱は私だけだったわけで!? で、この表が役にたつ人はいないのかもしれません。カナシィーッ。

  • vol. 21 一枚のTシャツが気づかせてくれたこと

    2008.7.16

    ■先日東京駅の近くを歩いていて、何気にウインドーに飾られていた模様惹かれ、購入したTシャツ。(写真) そういえば、家にあるテーブルランプや、ヘレンドの陶器の小物入れにもこの文様があることを思い出した。(またまた、潜在的な心理の表れかもしれませんが・・・。) 最近日本の模様になぜか惹かれるものがあります。加えて日本のモチーフには、それぞれに意味(下記)や背景があり、そのストーリー性も改めてすばらしいなぁ、と思います。


    【鯉】鯉は、「鯉の滝登り」の故事から立身出世を意味する吉祥柄とされています。黄河上流の龍門という急流難所を鯉が登り切れば龍になるという説話から「登竜門」という言葉が生まれたと言われています。日本では鯉は出世魚として好まれ、端午の節句に男児が立派に成長するように願う鯉のぼりが立てられます。
    ■ 写真(下右)の生地は実際のイギリスのメーカー(Osborne & Little)のものですが、日本の模様と思われるモチーフが使われています。(店内生地) 日本模様は、根強く海外へ影響を与え続け、新しく発表されている生地にも、明らかにそのモチーフは、日本のそのものに斬新さを加え、デザインされていることを見ることができます。

    【乱菊: らんぎく】菊の花びらを大きく描き、入り乱れて咲いたように表した華やかな菊模様。この大胆な乱菊だけで模様が描かれたのは、大正の終わりから昭和の初めてにかけての斬新な傾向の着物の柄としてでした。第二次大戦後には大きな菊を白黒赤などの大胆な色使いであらわしたモダンなデザインで描かれました。シンプルでゴージャスといった、アメリカ人が好むようなジャパニーズモダンが流行したのです。東洋的なイメージから1890年代に流行したヨーロッパのアール・ヌーボーの流れを汲みつつ、戦後日本で流行した、動きのある菊だけの大胆な構図のこの柄は当時キリッとした着こなしを好む新しい時代の女性をイメージする柄である、常に今を生きる女性達の完成に大きく響くのです。               
    青字の模様説明の情報提供: 株式会社亀田富染工場/Pagong 様
    ■ 最近海外の生地を見ていて気が付くこと、それはほとんど「自然」を写している、ということでしょうか。 代表的な「花の柄」、その中に鳥が飛んでたり・・・。 海外の生地デザインに日本の柄が使われる昨今の海外トレンド。 日本のインテリア生地も、もっともっと素敵なデザインが沢山出てくる素地は整っている。 頑張れ、日本のテキスタイル!!

  • vol.20 創作意欲と布の関係

    2008.6.17

    創作意欲・・・。よしッ、これを作ろう!!  この生地を使い、こんなイメージで、なんて思う、この「創作」と「意欲」という関係がとても曲者である。以前から実感として思っていることを書いてみましょう。
    何か作品をつくる場合、いくつかのアプローチがあると思う。ひとつ目は、生地を見た瞬間に作品イメージが決まってしまう場合がある。「あっ、この生地はこんな作品に仕立てたら素敵だわッ」と思うもの (これは、ほぼ直感と言うか、即決デス。) 二つ目、「これを作りたいんだけど・・この作品に合う生地を探そう!」こんなケース。これが結構時間がかかったり・・するしれません。なかなかビビッとくる生地が見つからないからです。
    ある生徒さんが、ティーコージーに取り掛かかり、次に出席した時に生地が変わっていたのです。「あれ? この前の生地と違うみたいですけど、どうしたんですか?」 「どういう訳か、あの生地は、やっていて創作意欲が湧かないんですよね~」 いやいや、わかります。実は、私も作成途中で投げ出した経験があります。ピンクのシャンブレーでダブルフリルクッションをイメージし、開始後フリルをつける段階で止めてしまいました。なぜって、それはフリルデザインの甘さと、そして色のもつ甘さで、作っている最中に段々気持ち悪くなってきたからです!
    これはあくまでも個人の感覚?? いえいえ、そうではありませんでした。長年業界でお仕事をされている方がこのクッションを見て一言。「このチェック柄だから、フリルが生きるのよねぇ~」「いやー、わかってくれましたかぁ。この生地を使った意図が・・・。」(作り直した努力が報われた瞬間!!) 甘いデザインには、やはり若干辛口デザインの生地の方がしっくり馴染みます。 生地が持つ柄や色、そして作品とのバランスがいかに大切なことかわかっていただけたら、今回のコラムも価値あり、でしたね!! 但し、これはあくまでも”好み”の問題ですので、ご参考までということに・・・。
    【チェック柄の生地に変更された、ダブルフリルクッション】

  • vol. 19 英国クイズ

    2008.5.19

    ちょっと趣向を変えて、今回は英国にまつわるクイズといきましょう。ここに2枚の写真があります。さて、一体これはなんでしょう?
    【Q1. 写真上: 戦車のようなコンテナ。道端においてあるこの箱の用途は?】
    【Q2. 写真下: 足が移っていますが、さてこの乗り物とは?】

    答え
    A1. これはイギリスでOxfam(オックスファム)という団体が運営している「Clothing & Shoe Box」のコンテナです。不要な洋服等を皆さんここに投入して・・。それらは「チャリティ・ショップ」の店頭に並び、必要な人が購入すればそのお金がガンやエイズ撲滅のためのチャリティにも貢献することになるわけです。要はリサイクルボックスの究極の位置づけですね。この団体は、イギリスだけでなく世界100カ国以上で様々な形で活動されているようです。
    洋服の入れ替え時期・・・会社人間を辞めてしまった私のクローゼットにはいわゆる戦闘服っていうんですか、「スーツ」が眠っていて・・・。捨てるには忍びないし、さて、さて一体どうしたものか!?  このコンテナがあったら真っ先に投入するんですけどねぇ~。
    A2. これは、イギリスの地下鉄(Tube) の中。なんと、前の人との距離がこんなにも近い!!  きっと日本の地下鉄の中で同じ構図で撮ったら、前の座席の人は写らないかもしれません。(やったことはありませんけど。) 因みに真ん中は私のアシです。アシしからず。