• vol. 21 一枚のTシャツが気づかせてくれたこと

    2008.7.16

    ■先日東京駅の近くを歩いていて、何気にウインドーに飾られていた模様惹かれ、購入したTシャツ。(写真) そういえば、家にあるテーブルランプや、ヘレンドの陶器の小物入れにもこの文様があることを思い出した。(またまた、潜在的な心理の表れかもしれませんが・・・。) 最近日本の模様になぜか惹かれるものがあります。加えて日本のモチーフには、それぞれに意味(下記)や背景があり、そのストーリー性も改めてすばらしいなぁ、と思います。


    【鯉】鯉は、「鯉の滝登り」の故事から立身出世を意味する吉祥柄とされています。黄河上流の龍門という急流難所を鯉が登り切れば龍になるという説話から「登竜門」という言葉が生まれたと言われています。日本では鯉は出世魚として好まれ、端午の節句に男児が立派に成長するように願う鯉のぼりが立てられます。
    ■ 写真(下右)の生地は実際のイギリスのメーカー(Osborne & Little)のものですが、日本の模様と思われるモチーフが使われています。(店内生地) 日本模様は、根強く海外へ影響を与え続け、新しく発表されている生地にも、明らかにそのモチーフは、日本のそのものに斬新さを加え、デザインされていることを見ることができます。

    【乱菊: らんぎく】菊の花びらを大きく描き、入り乱れて咲いたように表した華やかな菊模様。この大胆な乱菊だけで模様が描かれたのは、大正の終わりから昭和の初めてにかけての斬新な傾向の着物の柄としてでした。第二次大戦後には大きな菊を白黒赤などの大胆な色使いであらわしたモダンなデザインで描かれました。シンプルでゴージャスといった、アメリカ人が好むようなジャパニーズモダンが流行したのです。東洋的なイメージから1890年代に流行したヨーロッパのアール・ヌーボーの流れを汲みつつ、戦後日本で流行した、動きのある菊だけの大胆な構図のこの柄は当時キリッとした着こなしを好む新しい時代の女性をイメージする柄である、常に今を生きる女性達の完成に大きく響くのです。               
    青字の模様説明の情報提供: 株式会社亀田富染工場/Pagong 様
    ■ 最近海外の生地を見ていて気が付くこと、それはほとんど「自然」を写している、ということでしょうか。 代表的な「花の柄」、その中に鳥が飛んでたり・・・。 海外の生地デザインに日本の柄が使われる昨今の海外トレンド。 日本のインテリア生地も、もっともっと素敵なデザインが沢山出てくる素地は整っている。 頑張れ、日本のテキスタイル!!

  • vol. 19 英国クイズ

    2008.5.19

    ちょっと趣向を変えて、今回は英国にまつわるクイズといきましょう。ここに2枚の写真があります。さて、一体これはなんでしょう?
    【Q1. 写真上: 戦車のようなコンテナ。道端においてあるこの箱の用途は?】
    【Q2. 写真下: 足が移っていますが、さてこの乗り物とは?】

    答え
    A1. これはイギリスでOxfam(オックスファム)という団体が運営している「Clothing & Shoe Box」のコンテナです。不要な洋服等を皆さんここに投入して・・。それらは「チャリティ・ショップ」の店頭に並び、必要な人が購入すればそのお金がガンやエイズ撲滅のためのチャリティにも貢献することになるわけです。要はリサイクルボックスの究極の位置づけですね。この団体は、イギリスだけでなく世界100カ国以上で様々な形で活動されているようです。
    洋服の入れ替え時期・・・会社人間を辞めてしまった私のクローゼットにはいわゆる戦闘服っていうんですか、「スーツ」が眠っていて・・・。捨てるには忍びないし、さて、さて一体どうしたものか!?  このコンテナがあったら真っ先に投入するんですけどねぇ~。
    A2. これは、イギリスの地下鉄(Tube) の中。なんと、前の人との距離がこんなにも近い!!  きっと日本の地下鉄の中で同じ構図で撮ったら、前の座席の人は写らないかもしれません。(やったことはありませんけど。) 因みに真ん中は私のアシです。アシしからず。

  • vol. 16 IKEA そして、ご縁とは不思議なもの

    2008.2.13


    日本に進出したIKEAを尋ね、ついついお買い物。飲み物フリーの魅力に、ついでに会員に。会員には『IKEA Family』雑誌(左写真)が送られてくる。数日前に2008年春号を手にし、つらつら眺めていると”リアルホーム!”という編集記事に自由が丘に住んでいる人のインテリアが紹介されていた。「ムムッ、ひょっとすると彼女じゃなぁーい!?」 めがねを(ついに買ってしまった老眼鏡。キャッ!) かけよくみると、やっぱりそうだぁ。
    彼女と出会ったのは、昨年秋。ふらっと店に立ち寄ってくれ、暇だったこともありインテリアに関する様々な話に花が咲き、座り込んで話し込むこと2時間近く。その後、会話の中の彼女の課題に対して、私が提案した内容を受け入れてくれ、結果、彼女のための特別「座学コース」が仕上がった。 そして今通ってきてくれている。ビジネス立ち上げ時から、私の計画書の中に記載しているプランだ。縫うという行為は最終章。やはりインテリアの背景や理論を理解して初めて、いいインテリアやソフトファニシングのプランニングができる・・・これは持論。お蔭様で彼女にはとても満足していただいている、と同時に私も自分がやりたかったことへの最初のきっかけをくれた彼女に大いに感謝している。ありがとう、Ms. YH。今後の益々のご活躍を祈念しています。出会いってほんとに不思議なもの、ですね!
    取材後日談・・・
    後日、彼女が取材裏話を教えてくれた。英国からわざわざカメラマンや取材スタッフが5~6名訪問したそうだ。(ヒョエ~ッ!) 初日は下見。そして本番当日は、下見の時にスタッフが足りないと感じたお花や小道具を追加してくれたそうだ。すごい念の入れよう・・・。さすがプロというか、遠方からきたんだからそれもそうかもしれないなぁ、なんて思いました。様々な言語に訳され、きっと世界のイケアファンの目を楽しませているでしょう。
    (掲載ページP28~P35)

    2008/02/13記載

  • vol.15 楽しむ

    2008.1.16

    新しい年の初め、皆さんも気持ち新たに活動を開始されたことと思います。先日、ふとある言葉が脳裏をよぎった。『これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず (子曰、知之者不如好之者、好之者不如樂之者)』おなじみ孔子の論語の一説。 『先生が言われた、知っているというのは好むのには及ばない。好むというのは楽しむのには及ばない』。という意味です。
    そういえば、この言葉は、以前勤めていたときの上司が(現在は社長)が「座右の銘」にしていたのを思い出す。当時まだ若かりし頃は、「フゥ~ん」みたいな感じで、仕事を楽しむということの実感があまり捉えきれていなかったような気がする。
    新しいことを始め、喜々として今を、そして仕事を楽しんでいることに気がついた。今年はもっともっと楽しみが大きくなる方向に向かって歩いていきたいなぁ、と思っている。今年もよろしくお願い申し上げます。

  • vol. 13 井形慶子女史、「私の好きな家(英国編)」講演会

    2007.11.16

    先日タイトルの講演会に行ってきた。英国好きの方にとって、井形さんの名前はちとに有名な方かもしれない。
    この講演案内を見つけた時、<渡英70回以上を数える英国通の方の、違った角度からの話を聞いてみるはきっとおもしろいかも! > と思ったのがきっかけだった。確かに日本との建築物の構造の違いや、建物の改造時の規制はあるものの(年代ものを大切にするためにムヤミに取り外せないものが結構あるんです。) 、なぜ日本の洋風の家は素敵にみえないんだろう・・・、と漠然とした疑問を持っていたところだった。
    講演前日に帰国したばかりの女史の話は、ユニクロのLondonの新店舗の取材の話から始まり、現地の家庭訪問風景、家屋販売のチラシ比較による方法の違い、アンテークショップの位置づけ、はたまた、ご自宅(英国風)の建築時の裏話、そしてチャリティショップの話、(そうそう、英国全土に広がるこのシステムはとっても合理的。店舗の場所も慈善によって支えられてのもの、高い家賃をとられる日本で、慈善事業は難しいのよねぇ・・) などと納得したり、感心したり。あっという間に1時間半は過ぎ・・。でも前述の私の疑問は解けなかった。
    しかし、最後に出席者全員に女史の著書『古くて豊かなイギリスの家、便利で貧しい日本の家』(新潮文庫)がプレゼントされ、(ちゃっかり、サインまでいただいちゃいました。) 帰りの電車の中で読みはじめたら、「あ、これこれ、本の中に書いてあるじゃん。まぁ、1時間半の講演時間では伝えきれる内容は限られているから、しかたがないわよね~。それに聴きに行かなかったらこの本にも会えなかったかもしれないし、結果オーライ!」なんて納得しつつ、一晩で読破。 
    私がいままで漠然と思っていた疑問、それを解決してくれたその一言。それは『家はイギリス人にとっては「ホーム」だが、アメリカ人や日本人には「ハウス」?』。この一行を含む(p44~p49)ページは、モヤッとしていた私の疑問を一気に吹き払ってくれた。 確かに、本屋に注文していた英国版雑誌の『HOUSE&GARDEN』が間違って米国版が届いた時、あっ、これは違うと思ったのも納得です。本の内容はこれに留まらず、私が日頃思っていることもバンバン書かれていて、痛快、納得の一冊でした。さすが、ジャーナリズムの世界に身をおく人の視点は違います。本質を深く追求するする姿勢はさすが!!
    写真】みなさんの価値観を揺るがすかもしれない¥476円・・・・

  • vol. 12 好きなもの、そしてインテリア・スタイル

    2007.10.24

     何か購入したときに、以前買ったにもかかわらず同じものを買ってしまった、という経験はありませんか? 私はローファー・シューズでこれをやってしまいました。 N.Y.近郊のアウトレットで買ったものが、自宅の下駄箱をあけた時、「な、なんと全く同じものじゃん!? それに色まで同じとは・・」 それって私だけの間抜けな話???
    これと同じような現象が他にもあります。理由、それはわかりませんが、写真を見てください。なんと、「本もの」(紛らわしい、本のモチーフのことです)」なんとなく身の回りを見渡したら集まっていました。キャーッ、これってどういうこと!? 決して私には収集癖はありません。けれど、知らず知らずに集まっていた!?

    「嗜好」は3歳までに決まるとよく聞きますが、デザインや色の「志向」、「審美眼」は人生のどの時点で形成されるものなのでしょうか? (きっとサイコロジー分野の論文かなんか出ているんでしょうねぇ~。知っている人がいたらコメントください。いただいてもコメントは返しませんけど。(笑) 想像するに先天的なもの、そして人生の長きに比例してどれだけ沢山のものを見た、学習したなどの後天的なものの二つが融合し形成されるのだと思いますが・・・。生徒さんの好きな色使いや生地選びを見ていると、やはりその方の志向を見てとることができ、とても個性を感じます。
     最近の女性雑誌には、インテリアに関するスタイル、色使い、小物等、実に多彩な記事が掲載され、皆さん参考にされているんじゃないかと思いますが、ひょいと見渡せば自分好みのインテリア・スタイルを作るための原点は、案外足元に存在しているのかもしれません。
    ライブラリーのある家に住みたいと思っている願望の表れ・・・!?【写真】CDケース、ブックエンド、ランプ、そしていつかは使いたいと思っている生地。

     

  • vol.9 2ヶ月も待たないとは入れないお店!?

    2007.7.17

    今回は、ちょっと「ソフトファニシング」から離れた話題を・・・。
    最近友人と食事をした。出かけた店は、タイトル通りの予約で一杯のお店。それに予約時間は、9:00p.m.スタートとは・・・。「夜の9時以降に重たいご飯を食べたら太りそう・・、そんなんしてまで、本当に行く価値あり???」 と思いつつ、そこに決定。最近はあまりそういう手の店に行こうという情熱はめっきり薄れ・・・ま、どこの店でもほとんど一緒でしょう、等と思っている。 到着した店は銀座のイタリアン。道すがら近況報告に花が咲き、到着するまで友人は店については何も語らず、私も聞かず。入った瞬間、な、なんとスタッフの数が多い! これは間接経費がかかってるな、なんて馬鹿なことを考えつつ、席に案内され、店主らしき方はそういえばTVで見たことのある顔かも。
    メニューはプリフィクス形式のリーズナブル価格。食べたいものをオーダーし、いよいよお料理が運ばれてきた! 確かにおいしいけど、別に狂気乱舞するほどのものでもないのでは? と思いつつ。<いやーッ、年齢を重ねるとついつい様々な経験が邪魔をする場合があります。やだね~。>  イタリアンのお店はやはりイタリア語が多いので、いろいろ質問をするととても感じよく完結に説明してくれる。 またスタッフの皆さんは快活に動き、何気なく気配りしてくれている様子がなんとも心地いい。帰る時はスタッフの方に見送られ、50m進んでもまだ見送ってくれていた。ワオッ!
    近年は外食産業の進化で、ハレ以外でも外食することにすっかり慣れてしまっているが、外で食事をする意味を改めて考えさせられた。お金を払って食事をすること、それは食事内容に対してのみ対価を払うのではなく、その店すべて、特にサーブしてくれるスタッフ、厨房ではたらく人、オーナーの目配り、それらの全てを享受することに初めて「外で食事をする」という意味があり、支払う価値があると・・・。いやー久々、価値ある外食でした。 やはり2ヶ月待つこの人気に納得!
    ■裏メニューならぬ、裏話。
    私が見たTV番組に登場したオーナーシェフの落合さんは、田舎のイタリアンのお店で食している光景だった。そのお店は雑誌等にも取り上げられていた「アルケッチャーノ」という店。 店名がとってもゆかい。庄内地方の言葉で、田んぼの真ん中に「そういえば、そんな店あっけちゃの~(あったよね~、の意味)」あっけちゃのー、アッケチャノー、「アルケッチャーノ」。田舎に住む姉に聞いたこの話に大笑い!!  いつかこのオーナーに店名由来の真実を聞きたいものだ。

  • vol.5 ソフトファニシングとカルトナージュ

    2007.3.17

    当教室にくるお客様や生徒さんは、ほとんどカルトナージュを習っているといって過言じゃない。 オープンしたての頃から、布を探しに見える方に聞いてみる。「何にお使いですか?」「カルトナージュ」次から次とカルトナージュの合唱は続く・・・・。日本は今、カルトナージュブームなんだなぁ、と私は勝手に決め付けている今日この頃である。
    以前の仕事をしていた時は、趣味といってもおやじ趣味のゴルフに明け暮れていた。でも私の場合、「百獣の王ライオン」。 要は110のスコアをなかなか切れないっていうことなんだけど・・・。ゴルフの話はさておき、世の中の女性の趣味の世界とは全く無縁の世界にいた私は、世の中を知らなかったのである。
    しかし180度転換した今は、その潮流が新鮮にヒシヒシと伝わってくる。生徒さんのSさんは、今ティー・コージィを作っている(最中)。この同じ布を使い、カルトナージュでトレイを作ると予定だとか。「それってとっても素敵ねぇ~ッ!」と思わず感嘆の声を上げてしまった私。確かにお茶を出す時の道具を同じ生地素材で揃えるなんて、なんておしゃれなんでしょ。それも世界でたったひとつの自分だけのデザインで!! (思いもつかなかった・・・。それってグッドアイデアよね~。)
    「ひょっとすると、ソフトファニシングって、カルトナージュと姉妹かもね。」と私か言ったら、Sさん曰く、「そうなんですよね~。」
    皆さん、カルトナージュの次のブームは、ヤッパ、ソフトファニシングでしょう。

  • Vol.4 風邪引いて学ぶ!?

    2007.2.26

    まだ2月というのに、今年は2回も風邪にやられてしまった!!  ウーッなんという不覚。それも1月に引いた風邪もようやく治っていい調子、なんて思っていた矢先。不覚とは『油断して失敗すること』と辞書にあるが、まさに油断!? もうひとつ意味に、『覚悟のできていないこと』あるが、どうもこちらの方が心情的には近い。だって風邪引く予定なんてさらさらなかったんだもん。
    さて、病院にいき診察室へ。「インフルエンザかどうか検査します」「あれ? 前回はそんなことしなかったのに・・・」と思いつつ。 検査を終え、診察室に戻るとカルテには、”インフルエンザA”と書かれていた。お医者さんいわく、「今日はあなたで6人目です。予防接種は受けなかったんですか?」(その一言は、予防接種を受けておけば、こんなことにはならなくて済んだかもしれなかったんですよ、と聞こえたのは気のせい?)
    ■事前準備の大切さ
    「事前」とは、先を想定し今何をすべきかを考え、取り組むこと。インフルエンザも然りでした。
    ソフトファニシングも事前準備の内容で、作品の出来不出来を決めると言って過言ではないでしょう。どんな作品にしたいか、デザインや布の色、そして素材感との調和を考え、それが終わると寸法、裁断にと、準備にかける時間は完成までの時間の8割くらいを使うと常々思う。 (でもここがとても楽しい時間であることも確かです。) ミシンを使う時間は、それに比べてほんの僅か。
    こう考えると、事前準備は物事すべてに渡り通じるものがある気がする。将来どうしているかを考え、今何をすべきかの人生までも・・・。

  • Vol.2 2007年、日本のカーテンデザイン・トレンド

    2006.12.6

    ◆ 10月下旬に開催された「With Curtains – Fabrics Makerが提案する2007トレンド」
    に行ってきた。ズバリ、今年に引き続き形も柄も「シンプルモダン」以上、って感じ。  これはあくまで「ファブリックス」の話であり、インテリア全般については、また別であるが・・・。

    そういえば英国にいた時、某カーテンメーカー兼パブリッシャーの研修に参加した時の講師も同じことを言っていた。カーテンで言うこのシンプルモダンの流行はブラインドに代表され、カーテンサミットなるものが開催された時、各メーカーは生地が売れなくて困っていることが話題になったと聞いた。確かに、装飾的な飾りが排除されれば、生地の使用量も自ずと減っていくのもうなずける。

     

     

    ◆ 日本のトレンドは誰が作っているのか? 日本大手7社の各メーカーの説明の強調ポイントとして、必ず素材や機能面(防炎、Washable, 遮音etc.) に力点がある。うーん、やはりこの辺はどの業界にも当てはまるのかもしれないが、デザインより機能面の説明が重視されるところは、実に日本的だなぁ~と感じた。

    説明が進むにつれ、ふと疑問に思ったことは、布の柄のデザインという観点において「日本は果たしてインテリア・デザイナーが流行を作っているのか、それともメーカーが作っているのか、どっちなんだろう?」。明らかに欧米の流れに追随していることは理解できたが、 日本人デザイナーの名前は一言も出てこなかった。皆、企業の中でのデザイナーとして頑張ってるんだろうか?  英国では、インテリア・デザイナーやデコレーターが家具やファブリックスを発表している人が沢山いる。Nina Campbell, Jane Churchill, Kelly Hoppen・・・etc. ファッション業界には、世界を代表する日本人デザイナーが何人かいるけど、インテリア・デザイナー、テキスタイル・デザイナーの名前やブランド名はあまり聞いたことがないということに気がつく。

     

     

    ◆ 日本のモチーフとデザイン
    英国では様々なファブリックを山のように見た。そこで一番驚いたことは、2006年の傾向でみると、日本のモチーフが沢山使われているということだった。 鶴、牡丹の花、はたまた「見返り美人図」(菱川師宣筆(ひしかわもろのぶひつ))というモチーフが新作の中にあるのには驚いた。

    日本人デザイナーがやっているのか確認はしなかったが、市場に出てくるということは消費者に受け入れられると確信してのことだろう。1800年後期、世界万博に出展した日本の浮世絵が、モネらフランスの画壇に影響を与えたジャポニズムが今なお息づき、現代においても「日本の美」を意識しているように感じられる。あの有名ブランド、ルイ・ヴィトンのモノグラムも、日本の紋章をイメージしてデザインされたものであることをご存知の向きも少なくないだろう。
    近い将来、日本人の手による日本のモチーフを用いたデザインが世界に発信する日がくることを期待しているのは、果たして私だけなのだろうか・・・・?

     

    2006/12/06 記載

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